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ピカソの隣人 バーゼルへ行く

(スイス行き、TGV)

バーゼルへ行ってきた。

バーゼルはスイスの小都市。フランス・ドイツの両国に隣接する国際都市、そしてヨーロッパ最古の美術館を擁し、世界最大のアートフェアを開催するアートシティでもある。
毎年6月に行われる「バーゼルアートフェア」には、世界中のアート関係者が集結する。私は美術関係の仕事をしていたころ、毎年かかさずこのフェアに来ていた。だから今回の訪問は十何回目、という感じだが、真冬に来たのはこれが初めて。

バーゼル訪問の理由は、みっつあった。
まず、いまパリで準備中の、画家アンリ・ルソーが登場する新作小説の舞台のひとつに、この都市を考えているから取材をするために。
そして、そのアンリ・ルソーの展覧会が、この街にあるバイエラー財団という美術館で開催されているので、それを観るために。
最後に、この街が誇る現代建築家、ヘルツォーク&ド・ムーロン(北京オリンピックの「鳥の巣」スタジアムを設計して一躍世界的に名前が知られるようになった)の事務所に勤務している、建築家の友人・ドナルドに会うために。


(ルソー展、開催中!)

バーゼル訪問の初日、いとも美しい粉雪が降っていた。
粉雪はすぐに溶けず、どかっと積もりもせず、まるで映画のセッティングのようにさらさらと加減よく降っている。美術さんが網で上から散らしてるんじゃないかと思うほど、嘘っぽい感じで。どっかからヨン様とチェ・ジウが腕組んで出てきそうな雰囲気だ。


(雪に煙るライン河)

取材だから、と自分に言い訳して、街一番のホテル「トロワ・ロワ(3人の王)」に部屋を取る。
ゲーテもピカソも美智子皇后もお泊りになったという由緒あるホテル。テラスから見渡す雪の舞い散るライン川の風景は、やっぱり舞台美術の美しさだ。


(☆☆☆☆ホテル、トロワ・ロワ)

(ホテルの部屋のテラス)

中世の街並みを思わせる路地を通って、欧州最古の美術館・バーゼル市美術館へ。
バーゼルでは、昔は王侯貴族、近年は富裕層が、せっせと芸術作品を集め、市民に公開することに血道をあげていたそうだ。
ポップアートのコレクションを欧州で最初に始めたのがこの美術館だとか。そんなわけで、中世美術から現代アートまで、実に豊かなコレクションを堪能できる。
最近リノベーションされたという内装も、気取らず、構えず、居心地良くて美しい。すばらしく完成度の高い美術館だ。


(欧州最古の美術館、バーセル美術館)

(キスリングの絵を前に)

さて夜はひさしぶりにドナルドに会って夕食へ。
ドナルドについては、長々と述べたいこともあるので、続きはまた明日。


(静かなロビー、外は雪)
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