2010.03.10 Wednesday
ピカソの隣人 三ツ星レストランへおもむく
やなぎさんとうさちゃんがパリにやってきた翌朝。ものすごいことが起こった。
春嵐がフランス北部を襲ったのだ。
明け方4時ごろ、風で窓がガタガタいい始める。風の強さは次第に増し、アパルトマンの屋根が吹っ飛ぶかと思うほどのいきおい。私の寝室は屋根裏なので、ほんとうに吹き飛ばされるんじゃないかというくらいの恐怖を覚える。そのまま、まんじりともせず夜が明けた。
その日のランチは、うさちゃんお楽しみの三ツ星レストラン「ブリストル」に出向く予定だった。これもうさちゃん効果なのか、午前中には嵐は通過した模様。
しかし天変地異とともにパリにやってくるとは、やはりうさちゃん、ただものではない…(やなぎさんとこんちゃんと私のあいだでは、この春嵐はうさちゃんがもたらした、ということで結論された)。
強風にもめげず、午前中はマイヨール美術館で開催中の「ヴァニタス」展を見に行く。これはなんというか面白い趣向の展覧会だった。
要するに、ガイコツ。古今東西(といってもおもに西洋人)の美術家による、ガイコツをテーマにした作品が、これでもかッとばかりに展示されている。「なるほど・・・アーテイストである限り、ガイコツっていうテーマに一度は取り組まなくちゃならないのね…」とやなぎさんはしみじみ。むむっ、やなぎさんの次回作はまさかガイコツ・・・?!と、偉大なるアーティストのそばでそわそわする私。
マイヨール美術館は、昔の富裕層のアパルトマンが改造された美術館で、各部屋ごとにテーマ展の作品が展示されているのだが、ところどころにマイヨールの作品も常設展示されている。これがまた、これでもかッとばかりに豊満な女性の裸像がずらり。ガイコツと豊満なヌード。肉の分量ゼロor100。狙ったのかどうかわからないが、見終わったあと、「肉体も死んでしまえばただの骨・・・・」という諸行無常の響きがあった。
さてお楽しみの三ツ星レストラン。
日本では考えられないのだが、こちらの星付きレストランはとにかく殿様商売で、土日はどこもほとんどが休業。そこで、こんちゃん宅の近くにある五ツ星ホテル「ブリストル」の三ツ星レストラン(合わせて八ツ星)に、こんちゃんに予約を取ってもらった。「いちおう二名ということでお願いしといたけど、いいかな?」と。さすがに二名と一柱とは言えなかったようで・・・。
レストラン内はうさちゃん好みのゴージャス感が漂う。こなれた物腰なれどルックス地味なギャルソンに、「椅子をもうひとつお願いします」とすかさず頼む。一瞬「?」となったが、椅子を持ってきてくれた。そこにおもむろにうさちゃん登場。
ギャルソン一瞬ピクリとなるが、うさちゃんにもにこりと笑いかけるあたりがさすがプロ。以後、遠巻きに私たちを眺めてはいたが、妙な顔ひとつしない。さすが三ツ星、あらゆる種類の金持ちが来るんだろうなあ・・・・・・。
「ちょっとなによ、ここ? イケメンギャルソンがいないじゃないの?」と、うさちゃんのほうが文句を言っている。たしかにムムッとなるようなイケメンギャルソンはいない。もっとこなれた、ベテラン系の方々ばかりで、ちょっとがっくり。
お料理は文句なくおいしく、プレゼンテーションもあざやか。ひとつひとつを堪能して、うさちゃんまたもやご満悦。次第に店内が混み始め、徐々にギャルソンが奥から出てくる。ふと気がつくと、あれもイケメン、これもイケメン、イケメンギャルソンのオンパレードになっていた。むむう、満席になるタイミングで出してきたか。さすが三ツ星・・・。ブラピ風、ギリシャ彫刻風、オリエント風・・・・・・いつしか私たちは、料理でなくギャルソンのほうにすっかり気を奪われていた。
ただし、私たちのテーブルの担当は、最初についた地味〜なベテラン。どことなくサラリーマン風、経理課の課長とかやってそうな生真面目な感じの彼を、私たちは「鈴木課長」と呼んで、勝手に親しんだ。
午後3時ぴったりに、ロビーにこんちゃんが迎えにくる。シンデレラを迎えにやってきたかぼちゃの馬車のごとく・・・。
春嵐の昼下がり、夢のランチのひとときでした。
春嵐がフランス北部を襲ったのだ。
明け方4時ごろ、風で窓がガタガタいい始める。風の強さは次第に増し、アパルトマンの屋根が吹っ飛ぶかと思うほどのいきおい。私の寝室は屋根裏なので、ほんとうに吹き飛ばされるんじゃないかというくらいの恐怖を覚える。そのまま、まんじりともせず夜が明けた。
その日のランチは、うさちゃんお楽しみの三ツ星レストラン「ブリストル」に出向く予定だった。これもうさちゃん効果なのか、午前中には嵐は通過した模様。
しかし天変地異とともにパリにやってくるとは、やはりうさちゃん、ただものではない…(やなぎさんとこんちゃんと私のあいだでは、この春嵐はうさちゃんがもたらした、ということで結論された)。
強風にもめげず、午前中はマイヨール美術館で開催中の「ヴァニタス」展を見に行く。これはなんというか面白い趣向の展覧会だった。
要するに、ガイコツ。古今東西(といってもおもに西洋人)の美術家による、ガイコツをテーマにした作品が、これでもかッとばかりに展示されている。「なるほど・・・アーテイストである限り、ガイコツっていうテーマに一度は取り組まなくちゃならないのね…」とやなぎさんはしみじみ。むむっ、やなぎさんの次回作はまさかガイコツ・・・?!と、偉大なるアーティストのそばでそわそわする私。
マイヨール美術館は、昔の富裕層のアパルトマンが改造された美術館で、各部屋ごとにテーマ展の作品が展示されているのだが、ところどころにマイヨールの作品も常設展示されている。これがまた、これでもかッとばかりに豊満な女性の裸像がずらり。ガイコツと豊満なヌード。肉の分量ゼロor100。狙ったのかどうかわからないが、見終わったあと、「肉体も死んでしまえばただの骨・・・・」という諸行無常の響きがあった。
さてお楽しみの三ツ星レストラン。
日本では考えられないのだが、こちらの星付きレストランはとにかく殿様商売で、土日はどこもほとんどが休業。そこで、こんちゃん宅の近くにある五ツ星ホテル「ブリストル」の三ツ星レストラン(合わせて八ツ星)に、こんちゃんに予約を取ってもらった。「いちおう二名ということでお願いしといたけど、いいかな?」と。さすがに二名と一柱とは言えなかったようで・・・。
レストラン内はうさちゃん好みのゴージャス感が漂う。こなれた物腰なれどルックス地味なギャルソンに、「椅子をもうひとつお願いします」とすかさず頼む。一瞬「?」となったが、椅子を持ってきてくれた。そこにおもむろにうさちゃん登場。
ギャルソン一瞬ピクリとなるが、うさちゃんにもにこりと笑いかけるあたりがさすがプロ。以後、遠巻きに私たちを眺めてはいたが、妙な顔ひとつしない。さすが三ツ星、あらゆる種類の金持ちが来るんだろうなあ・・・・・・。
「ちょっとなによ、ここ? イケメンギャルソンがいないじゃないの?」と、うさちゃんのほうが文句を言っている。たしかにムムッとなるようなイケメンギャルソンはいない。もっとこなれた、ベテラン系の方々ばかりで、ちょっとがっくり。
お料理は文句なくおいしく、プレゼンテーションもあざやか。ひとつひとつを堪能して、うさちゃんまたもやご満悦。次第に店内が混み始め、徐々にギャルソンが奥から出てくる。ふと気がつくと、あれもイケメン、これもイケメン、イケメンギャルソンのオンパレードになっていた。むむう、満席になるタイミングで出してきたか。さすが三ツ星・・・。ブラピ風、ギリシャ彫刻風、オリエント風・・・・・・いつしか私たちは、料理でなくギャルソンのほうにすっかり気を奪われていた。
ただし、私たちのテーブルの担当は、最初についた地味〜なベテラン。どことなくサラリーマン風、経理課の課長とかやってそうな生真面目な感じの彼を、私たちは「鈴木課長」と呼んで、勝手に親しんだ。
午後3時ぴったりに、ロビーにこんちゃんが迎えにくる。シンデレラを迎えにやってきたかぼちゃの馬車のごとく・・・。
春嵐の昼下がり、夢のランチのひとときでした。
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